お客さんからよくある質問シリーズ。

飲んだワイン(白)がシャンパンでもないのに、少し微炭酸を感じました。
「なんで?」って良く聞かれます。

モスカートダスティなどの一部炭酸を加えたものは別としても、普通のスティルワインなのに飲むとピリッと舌に刺激を感じることは多々あります。

いくつか理由は考えられますが、最も考えられるのは、そのワインが、主発酵時に生じた炭酸ガスが抜けきらなかったからと思われます。若飲みのワインに多くあります。

(主発酵=ワインの糖分が酵母によりアルコールと炭酸ガスにかわること)

普通のワインだと発酵後数ヶ月は樽やタンクで寝かされますが、若飲みタイプだと、その期間が短い為、主発酵時に生じた炭酸ガスが完全に抜け切らないまま瓶詰めされ、すぐに出荷されると、そういう味わいがワインに残っているものです。今の時期だと2004年産のリースリングやアリゴテ、ソーヴィニヨンブラン種などの白ワインにその味わいを時々感じます。
もちろん欠陥ワインではありませんよ。

あと少しマニアックですが、瓶詰めしたてのワインに、瓶を洗浄したときに生じる亜硫酸ガス系の香と味わいを感じることがあります。それもすこし、ピリッとした炭酸味みたいに感じますが、それは僕がワイナリーで働いていたときに覚えた程度で、一般に売られているワインでは、そんなに感じることは難しいでしょう。ちなみにワインに入っている酸化防止剤(亜硫酸)もそれ系の味がします。

あってならないのは、瓶詰め後に雑菌などが繁殖して瓶内で発酵が始まってしまい、その結果、炭酸ガスが残ってしまうことも考えられますが、今の醸造技術ではそんなミスは限りなくゼロに近いです。

(補足ですが乳酸発酵というのはリンゴ酸が乳酸に変わる発酵で炭酸味は基本的には出ません。
リンゴ酸という酸っぱい酸をまったりとした乳酸に変える手法です。)

白ワインを飲んで年号を推測するときなど、この炭酸味があるかどうかで、若い年号のワインかどうか調べたりするひとつの目安にしたりもします。

夏が近づき暑くなってくると、こういう若いタイプのきりっとした白ワインがおいしく感じるので、お店で、さっぱりした白ワインを買いたいなあと思ったときは、若い年号の、アリゴテやソーヴィニヨンブラン、リースリングを探してお求めになるといいでしょう。
あと、ポルトガル産の「ヴィーニョ・ヴェルデ」も夏におすすめです。