最近、シリーズ化しつつある皆さんからの質問コーナー。

今回はビオ・ディナミについての一考です。
先に言っておきますと、あまり僕は「ビオ・ディナミ」のワインを飲んでません。
あまりビオ・ディナミだから買おうといった買い方はしておらず、
そろそろ勉強もかねて飲まなくちゃと思っているところに、お問い合わせが
あったので、自分なりに今回まとめてみます。
ので、説明足らずのところや、間違ったところがありましたら、お教えください。m(__)m

「ビオ・ディナミ」とは
僕のイメージのなかでは、「風水チックな超自然有機栽培無添加ワイン」です。

化学肥料を使わず、酸化防止剤も入れない。それだけなら「有機無添加ワイン」ですが、ビオ・ディナミがなぜ「超自然有機栽培無添加ワイン」と私がいうかというと、

例えば、「害虫がでた」→「農薬散布」ですが、ビオディナミなら、「鳥の巣箱を置く」です。
生態系を重んじ、鳥の巣箱を置けば、鳥が来てくれ、余計な害虫を食べてくれるという遠大な計画により害虫を駆除し、畑の生態系を整えます。

さらに非常にカルト的な面もあり、
この栽培法の根本には、オーストリアの哲学者ルドルフ・シュタイナーの「磁石を理解する為には地球の磁軸を考察しなければならないように、植物を理解する為には惑星や地核からの影響を考えなければならない」という理論があり、その為、月の満ち欠けや天体の動きにあわせて、収穫や選定の時期を導くというものがあります。

栽培業者が哲学者の理論に傾倒するのは、いかがなものかと思いますが、古来中国などで、星の位置などでお米の栽培時期を決めたり、天災を予測したりしていることもあるので、(もともと風水っていうのはそういう所から来てるんでしょう?)一概に否定的にもなれませんね。

驚くべきことは、この栽培方法が、各地域のトップクラスの造り手に受け入れられている点です。ロワール地方のニコラ・ジョリーやローヌのシャプティエ、ブルゴーニュのルロワなどがあげられます。

日本でも大会社の社長さんや有名人が信心深かったり、頭のいい若者が新興宗教に走ったりする傾向がありますが、フランスのワイン業界にもカルト的な「ビオディナミ」が一部受け入れられているのもなんとなくわかる気がします。

畑には絶対やさしい農法なので、基本的にはビオディナミに賛成です。ただあまり、はまりすぎると怖いなあという感じはしますね。

最終的に最も大事なことは、そのワインがおいしいかどうかです。(僕の中では)
次回は味わい編を書く予定です。