先日に続きまして『ビオ・ディナミ』今回は味わい編」です。

葡萄栽培に置いても、化学薬品、肥料を排除しているビオディナミ、醸造に置いてもしかりです。
SO2(二酸化硫黄)なしの醸造というのは、微生物や雑菌の繁殖につながる為、非常に慎重に、手間隙をかけて行わなければなりません。

出来上がったワインは当然、微生物等の影響で複雑味を帯びた香と味わいになり得ます。
特に香に関して言うと、ビオ・ディナミワインの特徴的な腐った樹木のような、獣臭のような香がします。

フィリップバカレの「ボージョレ・ヌーヴォー」を飲んだとき、「なんだこれは?!」と思ってしまいました。ヌーヴォーなのに、香にフルーティさがまるで無い、湿ったブナの樹のような香に「ここはヌーヴォーにバリック樽を使用しているのか?」などと、思い違いをしたこともありました。

このヌーヴォー、味はとてもおいしかったです。「非常にやわらかくて、瑞々しい、それでも、凝縮度は驚くほど高い」値段も驚くほど高かったですけど、満足のいく味わいでした。
あと、飲んだことがあるのは、有名なところでは「ルロワ」のワイン数種と「シャプティエ」のワインも数種飲んでます。

それらのワインに共通して感じた印象は、色調から言うと、まず白ワインは少し黄味を帯びていました。赤は比較的色が淡い、薄めです。

味わいはというと、非常に抽象的な表現ですが、誤解を恐れながら表現してみますと「大自然の中で雨上がりに木洩れ陽を感じながら、散策しているときに、木々の間からむせあがってくる蒸気のような瑞々しさ」と「乳飲み子をあやす、滑らかでやわらかい母の手の様な滑らかさ。」瑞々しさと柔らかさ、自然っぽさ、人間くささみたいなものをそなえていたように思いました。

おいしかったです。どのワインも。どちらもその地方を代表するドメーヌですので、それはおいしくても当然かも知れません。「ビオ・ディナミ」農法だからおいしくなったというのは言い過ぎな感じはします。

これからもっと多くのビオ・ディナミワインを飲んでいって、もっと客観的に批評できるようにしていかねばと思っております。