今月のワイン会は「ドイツ・ブルゴーニュワイン研修で学んだもの その2」
ということでドイツ・ラインガウのエルトヴィレ国営醸造所、モーゼルの
ゼルバッハオスター、シャブリのピエールラモット、リュリーのポールジャクソン
そしてヴォーヌロマネのミシェルグロとグロ・フレールエスールを1本づつ開けました。

今回の研修ツアーでなんと、あの
アンリジャイエとともにブルゴーニュのワインの神様と称される
ジャン・グロ氏とその二人の息子、ミッシェル氏とベルナール氏に
お会いすることが出来ました。

ベルナール氏のドメーヌ、グロ・フレール・エ・スールを訪問しその後、
ジャン・グロ氏の後を引き継いだドメーヌ・ミッシェル・グロへ。

非常に気さくなミッシェル氏に手厚く歓迎していただき、
地元のチーズなどとともにミッシェルさんのワインを
試飲していると、玄関から大柄の大男がのっしのっしとやってきました。

「あの人はもしや?」そうです。伝説のジャン・グロ氏の登場です。
我々のメンバーの持ってきたお土産を非常に気に入ってくれたのか
自慢の狩猟で仕留めた鹿などの写真をいっぱい見せてくれました。
(結構えぐい写真で少々食欲が減退・・・)

そんなことを思い出しながら
今回はグロ・フレール・エ・スールの「ヴォーヌロマネ2003」
ミッシェルグロの「ヴォーヌロマネ・1erCru・クロデレア2002」(モノポール)
を比較試飲。

ヴォーヌロマネの中でも最もパワフルでエキゾチックと呼ばれる
グロ・フレール・エ・スールのしかも猛暑の2003年産はさすがにパワフル。
ここのワインの特徴の秘密は樽の内側の焼き加減。普通の樽は側面しか焼かないのですが
ここはなんと蓋の部分にも焼きをいれているのです。

これはよほど使用している葡萄がしっかりと凝縮していないとワインが樽に負けてしまう
恐れがある反面、良い葡萄で行うと長寿のしっかりしたワインが出来上がります。
濃い目のルビーレッドの色調で甘草のような香から木樽からくるバニラやカカオなどの複雑な香。エキゾチックでパワフルと称されるここのワインらしいボリュームある口当たり。すごいポテンシャルを秘めた、凝縮した果実味と樽の風味が溢れ出しそうなフルボディタイプのワインでした。
補足的にはこのヴォーヌロマネのワインにはグランクリュのエシェゾーの区画の若い樹の部分で取れた葡萄が使われているんです。かなりお得なヴォーヌロマネです。市場では
2002年産より2003年産のほうがかなり価格が高騰してきているのですが、
2003年は収穫量も通常の三分の一。
味を見れば、この味わいでこの価格では納得!です。

続いてミッシェルグロの「ヴォーヌロマネ・1erCru・クロデレア2002」
これは現地で調達してミッシェル氏にラベルにサインしてもらいました。

非常に優しくてまじめ。そんな印象のミッシェル氏の作ったワインも
その実直さを表しているかのよう。
控えめで優しくて。これぞブルゴーニュのピノならではの味わい!と思わず絶句!
バニラ、ラクリッツ、ミントを思わせる甘くまた澄んだ香。ソフトなアタック、なにかほっとするような優しい味わい。バランスが取れて奥行きのある、凝縮感も感じながら優しいのど越しをもった非常にエレガントなワインでした。
 
この2本、どちらがおいしいか?もし聞かれても答えようがない気がしました。
どちらも、違ったキャラクターを持ちながら完成された味わい、絶品でした。

http://www2.bbweb-arena.com/wines/myweb1_043.htm