先日のブルゴーニュ訪問でミッシェル・グロに訪れたときのサプライズです。
あのジャン・グロ氏が、僕らの試飲場へやってきました。
ジャン・グロ氏といえばあのアンリ・ジャイエと並んでブルゴーニュワインの神様
のような存在です。
僕にとってジャン・グロ氏に会えるということは
野球ファンに例えるならば、王さんや長嶋さんに会えたことと同じぐらい
の感動です。
ほんとはツーショットで写真を撮ってほしかったのですが、あまりの緊張に
萎縮してしまって言い出せませんでした。
今は専ら狩猟などをして隠居生活をしているようです。かなり元気そうでした。
狩った獲物の写真なども見せてくれました。
彼のワイナリーは今は長男のミッシェルが継承しています。
ミッシェルのワインは、本来ならばアンリジャイエの後の畑を継承した「メオ・カミュゼ」や
「エマニュエル・ルジェ」のようにもっと高額で取引されてもおかしくないと
思われますが、1995年以降ミッシェルに継がれてからは、ワインの流通価格は
実際には下がってきているようです。
ある意味非常にお値打ちな隠れた銘ワインとも言えます。というのも、ジャンのワインも、
体調を壊した晩年は、かなりこのミッシェルが造りに携わっていると言われていますので。
世代交代を正式に完了したとたん、流通金額が下がってしまったミッシェルは本当に気の毒です。
気の毒といえば、そのときの相続でジャン・グロの看板ワイン「クロ・デ・レア」は
受け継いだものの、リシュブールの中でも最高のリシュブールと謳われた銘畑は長女の
アンヌ・フランソワーズのもとへ行ってしまいました。
でもミッシェルの顔を見ていると、相続でもめるようなことをするぐらいなら、欲しい畑をもっていきな
と言いそうな、非常に優しくて生真面目な気性が感じられ、(ほんとはどうか知りませんけど)
優しいお兄ちゃんだろうなあと勝手に創造してしまいました。
こんな顔です↓
http://www2.bbweb-arena.com/wines/myweb1_045.htm
とはいえ、彼の元には「クロ・デ・レア」をはじめ、「クロ・ヴォージョ」のなかでも最高区画
ル・グラン・モーベルテュイという区画も所有しており、さらに最強の「オート・コート・ド・ニュイ」
と評価される2000円台のAOCワインも所有、
2002,2003年とインターナショナル・ワインチャレンジで2年連続「レッドワインメーカー・
オブ・ザ・イヤー」に輝いたり、モレサンドニやシャンボールミュジニに畑を買い増したりと
徐々に彼のカラーが出てきているように思います。
僕の中では「がんばれお兄ちゃん!父親の実績の重圧に負けるな!」とエールを贈っています。
彼のワイナリーは現在、長男のミッシェルが継いでおります。