ロワール地方の辛口の白といえば、僕の中では大きく分けて3、4つに分かれます。

ひとつはロワール河口付近ペイ・ナントの「ミュスカデ」。非常に軽くてフレッシュなワインです。そして、上流の方にある「サンセール」や「プイィフュメ」。独特のミネラル感があり時に石のようなと表現されるソーヴィニヨンブラン種から造られる白です。
そして中流地域のシュナンブラン種やソーヴィニヨンブラン種で造られたワインです。

今回は河口付近の「ミュスカデ」と中部「トゥーレーヌ地区のソーヴィニヨンブラン種」のワインを飲み比べました

1、ドメーヌ・ド・レルミヌ/ ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ2004  
                      ¥1365を  ¥1134

2、ドメーヌ・ヴォヴィ/ トゥーレーヌ 2003   
¥1680を  ¥1490

香りはどちらもミントやグレープフルーツ、ミネラルなどの香りがあり、
1のミュスカデのほうはシトラスなどの柑橘系の香、夏草っぽい香も感じられます。
2のトゥーレーヌは湿った草、硬質なミネラルの香が印象的でした。

味わいはどちらもレモンやグレープフルーツっぽい酸味のあるスッキリ辛口系。

1、はミュスカデ特有の程よいほろ苦味がほんのすこしありますが、
全体的にさわやかな印象の味わいでした。
余韻も短く、飲み終わった後ののど越しがすっと消えていく感じがします。
このワインは「ギド・アシェット」誌で2つ星獲得歴のある隠れた銘ワインです。
いつ飲んでもおいしく感じられる、また幅広く料理にも合わせられる
(特に野菜のてんぷらやホワイトグラタンにぴったり)店長お気に入りの一本です。

2、は1に比べると少し厚みのあるボディでまろやかでとろりとした粘性も感じられました。
この価格でありながら、ロワールの高級ワインのみによく感じられる気品の高さみたいなものを
持ち合わせた優良ワインです。どちらかというとロワール上流系の味わいに近いです。
ワイン王国33号で5つ星獲得しています。

ちょうどサーモンのマリネがあったのでそれと合わせみました。
どちらも基本的には合う組み合わせだと思います。
なぜか1のミュスカデを食べた後に飲むとワインの酸味やほろ苦味が強調された感じがし、
それがなかったトゥーレーヌのほうが、相性は一枚上手だった気がします。

やはり2本同時に比べて飲むと、今まではあまり感じられなかった品種や産地の違いが感じられました。

この二つのワインを利き分けるポイントは、まず余韻の長さの違い。どちらもそんなに長くありませんが、ミュスカデは非常に短いです。さらにミュスカデは若干感じるほろ苦味が特徴です。
トゥーレーヌやさらに上流のサンセールなどになると味わいや香にミネラル感(時に火打ち石香や燻し香)があります。このトゥーレーヌにもそれがあり、小ぶりなサンセールのようなイメージを持ちました。

これから資格をとろうと思っている方や、ワインを極めようと思われる方には是非一度飲み比べてほしいワインです。