今月のワイン会は来月にワインケナーの試験もあり、

参加者の中にも試験を受けられる方がいることもあって2ヶ月連続でこのテーマでした。

試験の出題内容とは関係ないんですが、

ドイツワインの甘口について
ちょっと堅苦しいお話ですが・・・・
実はドイツでは甘口ワインの作り方は2通りあるというお話を。

1つは、辛口に発酵したワインにブドウジュース(ジュースレゼルヴェ)を添加したもの。

もうひとつは、発酵を途中で止め、葡萄本来の甘さを残したものです。

後からジュースレゼルヴェを足す醸造方法は、糖度の高い葡萄が取れにくい北国ドイツでは理にかなった方法ですが、(もちろん法律でも認められています)
いわゆるリープフラウミルヒやシュワルツカッツなど量産型ワインはこちらで造られます。 

もともとの葡萄の甘さの正体はグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)です。
自然な状態で大体半々の割合で存在しています。
それが発酵によってアルコールに変わります。
発酵ではまずグルコースがアルコールに変わるんです。つまり発酵を途中でやめ、自然に糖度を残すとフルクトースの割合が多めに残ることになります。

ここで普通の人はあまり知らないと思いますが、実はグルコースとフルクトース、同じ糖でも味が違うんです。

実は・・・・フルクトースの方が断然美味しいんです。きれいで上品な甘さなんです。

それを経験的に知っているこだわりの造り手は人工的な捕糖(ジュースレゼルヴェ)をせず、発酵を途中でやめて葡萄本来の甘さを残す醸造を行なうんです。
きちんと発酵させた上で自然な糖度も残さないといけないので、もともとの葡萄に高い糖度が求められます。つまり完熟した葡萄を使用しないと造る事ができません。

ただ、お金儲けの為に安い甘口ワインを大量に造りたいならば、

その地方の規定の中で許す範囲の中で最大の収穫量を収穫し(ラインヘッセン地方で105hl/ha)
捕糖して発酵させ発酵後にジュースレゼルヴェを足して造ればいいんです。
飲んだ感じは程よく甘くて飲みやすいんですが、じょじょに飽きてくる味です。

そうして造られたワインが出回りすぎたせいもあって、

甘口のドイツワインの評判が下がってきたのがここ最近の傾向かと思います。
でも収穫量を減らして完熟した葡萄を丁寧に醸し、自然な甘味を残したドイツの甘口ワインというのは

飲み飽きのしない素晴らしい味わいです。

そんな話をしつつ、

ピースポーター・ミヒェルスベルクのQbAとカビネット、

ピースポーター・ゴルトトレップヒェン・エアステラーゲの飲み比べを。