お店に来てくれたティボー・デスパーニュさんと
1時間ほど話しこんだあと、おもむろに彼が、
このワインの味をみて欲しいと1本のワインを出してくれました。

【ジロラット2003】

リリースは今年の12月か来年の1月の予定らしいです。

言わずと知れたあのシャトーモンペラを造るデスパーニュ家のプレステージワインです。

収穫量はたったの15~20hl/ha

メルロー100%です。

土壌は表層は粘土質、深いところに石灰岩が分厚く存在している独特な土壌です。
1haに10000株を植える密植

2001年から造り始めたワインで、畑の樹齢もまだ若く10年ほど。
新樽100%で16~18ヶ月の熟成。

これらのデータをどう読むかというと、

土壌的に粘土の混じった石灰質土壌というのはボルドー地方においてメルロー種にとって
ピッタリの条件。

収穫量15hlというのはむちゃくちゃ少ない!
ボルドーのトップシャトーのラフィットやムートンでも30~50hlくらいは
収穫してるんじゃないかなと思うとかなりの低収穫量。
その分のぶどう1房辺りにかなり凝縮されたエキスが宿るので
非常に凝縮されたワインが出来上がります。

1haに10000株の密植は今最も支持されている植え方です。
新樽100%で16ヶ月というのもこの凝縮度の高いワインには理想的。

樹齢10年というのはワインにとってはまだかけだしです。まだ若すぎです。

そんなことをふまえながら試飲♪

色は濃い目のルビーレッド。
チェリーや赤いベリー系果実を思わせる香に
奥から燻したような上質なウッディーな香も。
口に含むと、ソフトなアタックから続いて溢れるようなアルコーリックなボリュームあるボディへ。
緻密でビロードっぽさも感じる上質なタンニンへと続き余韻も長め。
酸味もほどよく、いいアクセントになっています。

先に伺っていたデータに較べると力強さの面では予想よりも少しおとなしかったのですが、
それはやはり、樹齢が若いぶどうであるということでしょうか。
また地層的にも根があまり底まで張れない地形も影響しているのかも知れません。

パーカーさんでも90点前半はつけるんじゃないでしょうか。
とってもおいしかったです。
もともと2001年産が
Le Grand Jory Europeen でNo1に輝いた実績ももってます。

デスパーニュさんはこのワインをボルドーの他のトップワインに比肩するワインにするのが
今のミッションなんだと語ってくれました。

間違いなくこのワインはぶどうたちの樹齢が古くなるに従ってさらに深みが増してきて
偉大なワインの仲間入りするだろうと思われます。

2003年産は少し高いのですが、色んな事もふまえて少し先物買いしちゃいました。

ちなみにジロラットの2004年は納得いく葡萄がとれず、造らなかったそうです。

「えっじゃあ使わなかったモストはどこかへブレンドされたの?モンペラとか?」
と聞くと、これは秘密だけど
「シャトー・トゥール・ド・ミランボー」へブレンドしたんだよ。と。

シャトー・トゥール・ミランボーは彼のお父さんの造るボルドーワインです。
これの2004年には、幻のジロラット2004年が入っています。

うちのお店には置いてませんが、探して飲んでみたいワインですね。