まだまだ9月に入ったばかりですが、
酒屋的にはもう今年のヌーヴォーを発注しなければいけない時期なんです。
 
ボージョレヌーヴォーに関しては他のワイン以上にその年の気候や生育状況の情報が
入ってくるので、それを参考にしながら、発注数を決める作業は中々楽しいもんです。
 
2011 年は、春の平均気温が初夏並みに暑かった影響で、ブドウの生育状況が途中まで
約 1 ヶ月も早いペースで進みました。

一方で畑は雨が降らず、常に水不足の状態にありましたが、ヴィエイユ・ヴィーニュと
呼ばれるような樹齢の古い樹は、根が深く張っているため、
地中深くからなんとか水分を吸い上げられ、逆に若い樹は枯渇の恐れもあったようです。

しかし、7 月に入り
一転して冷涼で雨の多い天候が続きました。
7 月の悪天候はブドウの成長にとってマイナスですが、今年に限ってはまさに恵みの雨
この雨のおかげで畑の水不足は解消されました。

初夏の生育が早かったこともあり、2010年も異例ながら8月末から収穫が
早いところでは始まりそうです。

収穫が遅いほど葡萄の実に土中の養分を多く取り込める利点もありますが、
ボジョレーヌーボーにおいて収穫日が早いということは
蔵での仕事がじっくりと時間をかけてできるので安心感もあります。


去年などは収穫が9月中ごろ以降までずれこんだところでは
解禁日に間に合わせるために醸造過程が不安定なまま出荷されたワインもありましたから。

あの
フレデリック・コサール氏 はラパンの中で最高のミレジムになる可能性は大いにある!と評し、
ルーデュモンの仲田氏 も2005年をしのぐ過去最高の出来になるかもと言っておられ、
樹齢の古い葡萄樹の生産者の今年の好感触を感じられました。

今年は震災後初のヌーヴォーとなり、
フィリップパカレ氏 は今年のラベル(エチケット)を「再生」の意味を
込めた「グリーン」にすることを決めました。

ワイン好きにとっては、このエチケットはちょっと要保存な感じですね。

また

Mラピエール とともにインポーターが1本当たり50円を震災の復興支援金として
寄付することを快諾され、例年以上に仕込みに情熱のこもったヌーヴォーが産まれそうです。

 
病害も少なかったので、今年は安心して自然派ヌーヴォーにも手が伸びそうです。