なんという大雪!

今日は雪でお仕事どころではありません。

大雪を見るとドイツで経験したアイスヴァイン(アイスワインのこと)の収穫を思い出しました。
アイスヴァインはマイナス7度か8度以下の下で、収穫しなければならないという法律が
あり、その当時は10年に2,3回くらいしか取れない希少なものでした。

味わいはシロップのような濃厚な甘さが特徴。ただ甘いだけでなく、ドイツワイン特有の
シャープな酸味があり、甘ったるくないのが他の極甘口ワインと違うところです。

なぜ10年に2,3回しか取れないのか。
アイスヴァインの収穫時期は12月か1月。普通の葡萄の収穫時期は10月には終わります。
それから数ヶ月葉っぱが落ち、枯れ木のようになった葡萄の木に必死に実がしがみついていなければなりません。時には風で実が落ちたり、鳥に食われたり、まず12月まで実を残しておくだけでも
大変なことです。

12月にもなるとついてる葡萄も干し葡萄の様に水分が減っていくのが目でわかります。
その代わり普通の葡萄以上に長くついている分、土中の栄養分、ミネラルをたっくさん吸い上げています。栄養満点です。

やっとの思いで、12月まで葡萄が生きのびたとしても、気温がマイナス7,8度まで下がらないと
収穫したワインはアイスヴァインとは名乗れません。
泣く泣く、普通の極甘口ワインとして売り出す時もあります。
運良く収穫できたものも、水分が減って小さくなった実が凍った状態ですから、搾っても
汁が少ししか出ないんです。
アイスヴァインはハーフサイズ(375ml)が多いのは、量がそんなに取れないが、
飲みたい人のニーズが多いので苦肉の策でハーフボトルに瓶詰めしているらしいです。

そんなリスクがあるからこそ、みんなの感動するような、極上のワインになりえるのです。

その日は日曜日、普段なら働くことのないドイツ人が朝6時ごろから働きました。

僕も寝ていたところに電話が入り、「今日は寒いのでアイスヴァイン収穫だ。来い!」
ということで、起こされました。

眠い目をこすり着替えて駐車場にいくと、車が雪などでこちこちに凍って、こりゃ大変。
まずフロントガラスの氷をかきとり、タイヤをスタッドレスに履き替え、いざ職場まで。