ゼルバッハさんにツェルティンゲン村のワイン畑を見せてもらいました。

モーゼル地方の土壌といえばこの業界では有名なスレート状の粘板岩。

その土壌がむき出しのところへ連れて行ってもらいました。
畑の土の中はこんな風になっているのかと実感。

この薄い粘板岩質土壌を葡萄の根は突き破りながら、深く深く根を張っていきます。
樹齢が古い葡萄ほど、根が深いため、たくさんの土中の栄養分を吸い上げることが出来ると
言っておられました。

この土壌と涼しい気候で収穫時期が遅い為、モーゼル特有のおいしさ、
ミネラルあふれるワインが生まれるのだと目でも納得。

これも貴重な体験でした。

続いて蔵見学。

まず目を見張ったのが新型プレス機。
モーゼルワインのフレッシュさを最大限に引き出す為、やさしいプレスで葡萄を無理なく搾汁でき
葡萄のえぐみはださない、最新型です。

ベンツが買えそうな位高価なものだと思いますが、ここ10年ぐらいで2台買い変えてるようです。
それだけ、ワインに対する思い入れ、プレス機に対するこだわりがうかがえます。

僕も多くのドイツのワイン蔵を訪問しましたが、近年評価が上昇している蔵はほとんどこのメーカーの
プレス機械を導入しているように思えます。

収穫された葡萄をプレス機にかけるまでも非常に慎重で、一度収穫した葡萄をクレーンで持ち上げ
自然の重力で破砕→搾汁という工程を行っています。

普通ならポンプなどで葡萄汁を送り込みます。
なにげない作業のように思えますが、ここでポンプなどを使って葡萄汁を移動させたりする時に
さえ若干葡萄が傷む(酸化する)ので、それを防ぐ為にわざわざ手間をかけてやっているのです。

すごい!こだわり。さすがここ十年で評価が急上層している蔵のポリシーはやっぱり違いました。
葡萄汁(モスト)が樽に入って発酵が始まってしまえば、あとは自然の力にお任せするだけ、
樽をなぜてやりながら、ヨハネスゼルバッハ氏は言っておられました。

非常に葡萄を大事にする彼のワイン造りのスタイルを見て、もっと彼のワインが好きになった
気がします。
ドイツで今最も信憑性の高いワイン格付け誌のひとつ「ゴーミヨ」の
最も価値ある賞「ヴィンツァー・デス・ヤーレス」。
そろそろ彼が取るんじゃないかという気にすらなってきました。

http://www2.bbweb-arena.com/wines/myweb1_013.htm