早いものであと1ヶ月ちょっとでボージョレヌーヴォー解禁なんですね。

昨今は色んなところで今年のボージョレ地区のワインの出来の情報が断片的に
入ってくるようになりました。

僕もできるだけ情報には耳を傾けつつも、おそらく莫大に出回ってる情報のほんの一部、
耳にしたものを紐解きながら、今年のヌーヴォーの出来を研究しています。

仕事柄、また個人的な愉しみもあって、 
毎年決まった銘柄のボジョレーヌーヴォーを数人で飲み比べています。

1本は翌年まで寝かせて、その次の年のヌーヴォーとの比較試飲も楽しみにしています。

近年では2005年産が凝縮度、構成とも秀逸でした。
2006年と飲み比べた時にもその違いがはっきりわかるほど。
実際今、ブルゴーニュ全体でみて偉大な年との評価をされています。

で、昨年は2006年産と2007年産を比較試飲。

やや酸味の強く出た、やや淡い、よく似た構造のワインでしたがこの時の評価は凝縮度の点で
2006年産のほうがやや上でした。

そしてもうすぐ2008年産が解禁です。

2008年は夏場が07年同様、冷夏と雨に泣かされたようです。
風通しの悪い畑ではカビ病なども例年以上に発生しやすかったようで
風通しを良くする為、除葉作業など入念に行なったかどうか、生産者たちの畑に対する手のかけようが
ワインの品質にも影響しそうです。

こんな年は畑作業を重視しており、かつ風通し水はけの良い斜面に畑をもっている生産者が良さそうです。

うちのお店的には
フィリップ・パカレ のコメントを聞いていると今年は去年以上に自身がありそう。
ルーデュモン の畑は風通しの良い斜面に位置した樹齢70年以上の
古木で取れた魅力溢れるもの。
毎年どこが前評判が高くても、最終的には、最高評価はルイジャドがさらっていってます。
今年のヌーヴォーはどんな出来なのか今から楽しみな感じです。
http://item.rakuten.co.jp/wine-kinokuniya/c/0000000250/

なんて思っていると
8月7日にボージョレの一部をゴルフボール大の雹が襲ったみたいです。

中心地はムーラン・ア・ヴァン、シェナ、ジュリエナあたりのヴィラージュ地区のようです。

こんな時期にこんな大きさの雹が降ると、まず実が傷ついて熟成に支障をきたします。
そこからカビ病も発生しやすいです。

農家の方にとっては、予定収穫量を大幅に乱されて大損害です。

収穫量が減ってしまうので逆に品質的には、そんなに損はないかという声も聞こえますが、

葉もズタズタにされると光合成にも支障が出て成熟が通常よりも困難になるんじゃないかなと思います。

その為、できるだけ収穫日を遅らせ成熟させようという農家が多いようです。

去年に比べると3週間ほど遅くなっているようです。

そんな思いで収穫を遅らせていると、
9月14日過ぎたあたりから乾いた北風とお日様の恵みで糖度も徐々に上がってきたみたいです。

それを待って遅摘みを実行した品質重視の農家はほっと胸をなでおろしたことでしょう。

個人的な考えでは、

良い造り手は、優しくてやや軽め、それでいて酸味の突出していない、ボージョレの醍醐味というべき
ライトでフルーティーな味わいのワインを醸してしてくれるかな。

誤ってしまった造り手は酸味が突出してその割りにボディの薄っぺらいバランスにかけたものを
造るのではと思ってしまいました。

良い年であれ悪い年であれ、同じ銘柄のヌーヴォーを飲み続けて、
前年のものと飲み比べることでなんとなくその年のブルゴーニュワインの出来がわかってくるような
気持ちにされるんです。かなり強引ですけど。

それが楽しくてヌーヴォーを待ち望んでる。そんな感じですね毎年。

今年もうちのお店のワイン会で解禁日にヌーヴォーの飲み比べをする予定です。

楽しみなのは、ルイジャドと、フィリップパカレ、ルーデュモンの飲み比べ対決と

ルーデュモンの2007年と2008年のヌーヴォーの飲み比べです。(*^_^*)