自然派ヌーヴォー2009探しの寄り道中。

今年楽しみな自然派ヌーヴォーを探しながら、そのとき目に付いた自然派ワインを
ちょこちょこ仕入れております。

ナナ・ヴァン・エ・カンパニー・「ユー・アー・ソー・クール」と「ユー・アー・ソー・ファイン」
飲み比べ。あのクリスチャン・ショサール氏が手掛けたネゴシアンブランドです。

クールのほうがブドウ品種はソーヴィニヨンブランで
ファインはシュナンブラン種です。

外観は意外にもソーヴィニヨンブランのクール(左)のほうが若干濃い目の色合い。

クールはほんと酸味が爽やかでいかにも「クール」な味わい。

きりっと爽やかキレのあるロワール自然派辛口ワインです。

そしてファイン。

注ぐとしゅわしゅわっと泡立ちが。グラスからもきめ細かい泡が立ち上がります。

↑肉眼では見えたんですが(泡が)・・。写ってない"^_^"

アカシアのハチミツを思わせるような香のあとからフレッシュな青リンゴの香が広がります。

口に含みますとペティヤンを思わせるようなクリーミーな微発泡味。
爽やかな酸味が心地よく余韻にまでクリーミーな泡立ちが残ります。

翌日、ややガスが抜け、さらにワインのボディ感があらわれます。それでも微炭酸味は
心地よく残り、余韻にはふくよかなミネラル感を感じます。

実はこのワインには、裏話がありました。
冷涼なロワール地方では、収穫後のワインの発酵の時期というのは非常に涼しく、
その為自然酵母がうまく発酵してくれなかったりします。
自然派ワインの造り手はそういう時も培養酵母を
添加したりすることはせず、あくまでも自然な酵母での発酵を気長に待つこともしばしば。

このワインは主発酵後のマロラクティック発酵が
蔵内が低温のせいもあり一向に進まなかったそうです。

そこで奇才ショサール氏は、そのワインをまず瓶詰めをし
その後、瓶内でマロラクティック発酵をさせた(なってしまった?)そうです。
(アンビリーバブルですが・・・・)
その結果がこのクリーミーな発泡感のある
爽やかなテイストです。

シュナンブラン使いの天才が織り成す自然派ワールドを
堪能できる魅惑の1本です。

(アンビリーバブルでしたが、美味しいのでノープロブレムです。)

ちなみにショサール氏曰く、このワインの真髄が
見られるのはこの泡が切れた時だとか。

そういって、蔵内でデキャンタにワインを入れて
上手にぶんぶん振り回しながらガス抜きをして
試飲させてくれたそうです。

自然派ワインの放置Pもこの辺の味わいの真髄を楽しむ為なんでしょうね。

放置で注意すべきはやはり保管温度。炭酸ガスが充満しているとはいえ
乳酸菌などは15度を超えると活動がさかんになりますので、

開栓後の保管は15度以下が原則かと。
余談・・・
ヴーヴレの地で初めてビオワインを手掛け多くの人を魅了し、 
また醸造学校では講師として、今や時の人となった
ティエリ・ピュズラをはじめ多くの若手自然派醸造家を育てたクリスチャン・ショサール氏。

しかしワインに対する純粋さゆえか、はたまた講師でありながらアンビリーバブルな醸造法をする
からかINAOと衝突し、一度はワイン界から疎遠になっておりました。

そんな彼がスイスで偶然であったのがナタリー(ナナ)さん。
彼女は偶然にもショサール氏のワインのファンであり、彼女の「もう一度
あの素晴らしいワインを造ってほしい」との要望からついに彼のワイナリーが復活しました。

どうせやるなら思い入れのあるシュナンブランが造れるところがいいということで、
ロワールに復帰。

ファインのブドウはオリビエ・カレーム
(ヴーヴレーの作り手ヴァンサン・カレームの兄弟)の畑からだそうです。

この独特の癖になる味わいは何なんだろう?

売るために仕入れたのに、自分飲みでどんどん開栓してしまってます。