あと2週間ちょっとで今年もボージョレ・ヌーヴォー解禁です。
昨年は「史上最高の年」とか「100年に一度の大当たり年」などと言われ
実際すごく美味しくてうちのお店でもあっという間に完売したのが記憶にも新しいのですが
今年2010年はどんな感じになるんだろうと想像してしまうんですが、
 
 
春先は肌寒く、葡萄の開花なども例年より遅め、結実不良も多かったが、
7月から突如気温が上がり始め、葡萄の生育も急速に進んだそうです。
結実不良によりミランダージュと呼ばれる実の小さな葡萄が散見されるのですが
実はこれは、かのアンリ・ジャイエ氏も好んだ良い現象でもあります。
醸造いかんによっては素晴らしいワインとなります。
8月も前半はやや日照量も少なかったのですが8月末頃から収穫の始まる9月半ばまでは
好天に恵まれ
 
収穫をぎりぎりまで遅らせた生産者はかなり質の良い葡萄を収穫できたようです。
 
 
うちの店では今年もこの3生産者を大注目しています。
【フレデリック・コサール】
【フィリップ・パカレ】
【ルイ・ジャド】
まずは
フレデリック・コサール、
収穫は9月22日からとギリギリまで収穫を遅らし、
「天候に恵めれているかぎり最大限に葡萄の成熟を待つのが真のヴィニュロンだと思う」という
哲学の元、素晴らしい葡萄が取れたようです。
解禁日に間に合わすことよりも葡萄を最高の状態で収穫することを望む彼のヌーヴォーは
きっと解禁すぐよりもしばらく置いてからのほうが本領を発揮しそうな気がします。
(2009年物もそんか感じでした)
そして彼もやはりミランダージュを好み
「もしかしたら品質的に2009年以上のワインを期待できるかもしれない」と締めくくりました。
 

「完全なるブドウからこそ素晴らしいワインは生まれる。」という哲学をもつ自然派の旗手
フィリップ・パカレ。

彼も今年の収穫は9月20日まで引き延ばしました。(一般収穫開始は9月13日)
女性的で上品、繊細、エレガントなスタイルのパカレのプリムール(ヌーヴォー)は、
ミネラル分豊富な上質なテロワールから生まれます。こちらの畑では雹(ヒョウ)
などの被害は最小限でしたが、それでも痛んだブドウを除く選果は必須の作業です。
不健全なブドウを発酵槽に加えないことこそが、人の手によってできる最も重要な作業のひとつだと厳しい選果によって
収穫量はかなり減ったようですが、彼の今年のヌーヴォーも期待できそうです。
8月前半の涼しい気候は女性的なスタイルの彼のワインにはプラスに働きさえしそうです。
【フィリップ・パカレ・ボージョレ・プリムール(ヌーヴォー)2010 】
 
『セミ・カーボニック・マセレーション』と呼ばれる方法でヌーヴォーを醸造するルイジャド社。
通常カーボニック・マセレーションとして行われている密閉タンクへの二酸化炭素の注入はせず、
自然発生する二酸化炭素を利用するセミ・カーボニック・マセレーションは、
二酸化炭素環境下に置かれる時期が異なり、特別なバナナなどの香りが強調されすぎる事が少なく、味わい深さが増します。
また、ルイ・ジャド社プリムールの特長として、比較的発酵開始温度を高く(一般のものは20℃以下)、また、タンク内に置く時間も長く設定し、
ガメイ種の色や、その品種独自の特長的な香りをより引き出すようにしています。
ボージョレ地区最高の蔵元の呼び声高いシャトー・デ・ジャックを所有し、そのノウハウから生まれるヌーヴォーは
毎年安定感も抜群です。
 
今年も解禁日にワイン会をして、数種類のヌーヴォーを飲み比べる予定です。
 
楽しみ!